「私と自転車」


 札幌市長 上田文雄    

どうも皆さんこんにちは。ご紹介に頂きました、札幌市長の上田でございます。6月11日が初登庁日でございまして、2回も選挙をやってですね、やっとこさ当選させて頂きまして、初登庁から102日位、今日は経ちまして、やっと少し仕事に慣れてきたのかなというふうな感じでおりますけれども、初めから民間の出身の、44年ぶりの市長だというふうなことで、色んな形で注目をして頂いて、たいへん有難いなというふうには思っているんですけれども、あるいは多くの市民の方々からご期待を頂いて、なんとか市民が中心になれる、そういう札幌市制に転換するようにですね、やっていきたいということを思いまして、私がこれまで25年間、札幌に来て、一市民として生活していた、その生活パターンを崩さないように、市長の職を行うということが、これが形からしても、やはり市民が市制の中心にいるんだということの現われになるのではないか、そんな印象も皆さん方に持っていただくことによって、じゃ私も参加してみようかというふうな気持ちになって頂ければ、それはそれでとても有難いということで、私の今までの生活方法といったものをそのまま市役所の中に持ち込もうというようなことを考えてきたわけであります。


その一つがリュックサックを背負って市役所に行くという、あまりそういう市長さんいなかったみたいなんですけれども、私はずっと弁護士の時に、一番、大きなドクターバックみたいな、お医者さんが持つような大きな鞄を弁護士がよく持っておりますけれども、それよりはリュックを背負った方が両手が開いているもんですから、冬などは特にですね、転んだりするときに一番安全だということで、リュックサックを背負うように、5年位前から切り替えてやっております。

それから、もう一つはなるべく車に乗るのをやめようということで、2000年の5月から、自転車に乗るように致しました。それも変えずに、自転車で通勤したいなというふうに思って、今日まで、まぁ初めの頃は「それでいこう」ということでやっておりましたところ、自転車に乗る市長だということで、非常におもしろがられているというのが、一つございます。私はなんで自転車に乗るようになったのかということなんですが、もちろん小さいときに自転車を練習してですね、子供の自転車を買ってくれるような家庭事情ではありませんでしたけれども、大人の自転車をサドルの下の三角のところに足を入れて、横になってこうやって乗っているなんてですね、めちゃくちゃな運転をした、今では考えられないようなですね、危ない運転を身につけてですね、だんだん、足が長くなって、いや今でも短いんですけれども、ちゃんと乗れるようになってから、普通の自転車にも乗っておりましたけれども、都会に行きますと、車がたくさんありますので、東京で勉強しているときも、自転車に乗ろうという雰囲気はあまり持っていなかったわけでありますけれども、そのまま札幌に帰ってきても、自転車とはなかなか縁遠い生活をしておりました。

ところが、今日もそこに菅澤さんおいでになってますけれども、一緒に環境の問題を弁護士会で考えようということで、私が札幌弁護士会の環境保全、公害対策環境保全という長い、ま、公害委員会と言っているんですけれども、そういう委員会の委員長を1999年から務めることになりました。その時に委員会活動っていうのはなかなか弁護士もですね、環境の問題に関心を持って頂ける弁護士っていうのはですね、そんなに多くはないもんですから委員会15人か20人おりましてもですね、なんか、やっぱりみんなで研究をしようということでですね、ドイツに研究に行こうと環境問題に、特にゴミの問題についてですね、少し勉強をしようということで、「ドイツの環境首都」という本を読んでそして1年間勉強して、次の年、2000年の5月連休、4月の末から利用して、ドイツ、ハイデルベルグとどこでしたかな、もう一つの街ですね、フライブルグ、この二つの街に行こうという計画を立てて、そして、行ったんですよ。で、ゴミがどうやって処理されているのか、減量しているのか、ゴミを出さないようにするのにはどういう工夫をしているのかというようなことを、色んな方々から、街の方々から、お話をちょうだいしながら、帰ってきて色んなレポートを書いて、活動を継続している訳でありますが、そこで、ゴミの問題で行ったんですけれども、都心交通ですね、この問題、非常に大きなエネルギーがドイツでは置かれているというふうなことに、あわせて勉強させて頂きました。それは、エネルギーCO2の問題について、ヨーロッパでは特に関心が危機意識が非常に強い訳ですね、例えばドイツなどでは黒い森が枯れて酸性雨になって、そして枯れてくる、赤茶けてくる、というふうな状況に対して、自然を本当に大切にする国民性が非常に色濃い民族性という思っている一面と、徹底してやっぱり、それを自分たちでなんとかしなきゃならないという気持ちでどんどん変化されているという現状を見させて頂いて、車をなるべくその都心部では使わない、あれだけの車大国ですよね、車を自動車工業というのは発展して、国が栄えてきた、復興してきたというドイツのベンツがあったり、ベンデ(?)があったり、そういう工業国、自動車工業国として立ち上がったドイツなんですけれども、それを利用しにくくすることによって、利用を抑制していくというふうな街づくりをしていくというですね、ことをやっているわけですね。非常に私は感動致しました。CO2なんて見えない問題についてですね、ドイツにおいてはそういう森が枯れてくるとかですね、そういう酸性雨がくるというふうなことで危機意識があったんでしょう。そういうことで、行われたと思うんですけれども、みんなで取り組んできたというふうな歴史がそこに展開されて、その一つの方法としてCO2対策として、自転車のあるいは街の中で、自転車と歩行者を大事にする、そういう交通体系に切り替えていこうというふうなことが行われている訳ですね。私はそれを見てとても快適さって言いますか、街が今まで日本の街では、車がビュンビュン街を、繁華街を通って行くっていうことが当たり前の姿であったものがですね、そうではなくって、この漂うって言いますか、ゆったり歩くことができるというような、そういう文化に切り替えていこうということでですね、やっておられるのを見て、私はこれはすごいなというふうに思って、感動してですね、そして帰ってきた訳であります。

そして、私もCO2問題について、自分からまずやらなきゃだめだというふうに思いまして、CO2、1990年比10%減などというですね、動きを立てておりますが、私自身が半分減らす、自分の生活の中で50%減らすにはどうしたらいいかというふうに考えました。その時に考え付いたのが、やはり自転車に切り替えるということであります。前面的に切り替えますと私の車を利用しないということになりますと、それだけでそうとう長くげんしゅつ?になるわけでありますが、車で排出しているCO2をですね、少なくとも半分にするというふうにするためにはどうしたら良いかというと、毎日自転車で通うのが一番良いんですけれども、なかなか雨の降る日があったり、冬は雪が降ったりですね、というふうなことで自転車が乗れない、天候がちゃんと雨が降っていなくて、そして、夏場これは、車から自転車に通勤方法を変えようということで、私は決めましてですね、帰ってきてすぐ自転車を買って、そして、西野に住んでおりましたので、事務所まで7キロくらいですけれども、これは毎日走るというふうなことに、1年で半分乗れば、半分CO2が減るというふうに考えましてですね、何か努力目標大きいものを作りたいが故に、何キロ走ったかというメーターまで付けてですね、遊んで、遊び心を大事にしながら、そういうふうに切り替えていきました。6人か7人、弁護士行きましたけれども、みんな同じような感想を持って帰って参りました。みんな自転車に乗るようになりました。前から乗っているのは何人か、一人か二人おりましたけれども、残りの者は新しく買って、そして自転車に乗る弁護士が6人7人という形で増えてきたというのが、札幌弁護士会の実践であります。その私は一人ということで、自転車に乗るということになった訳であります。

市長になりまして、これを続けるということで、申し入れを致しました。公用車ですね、出さなきゃということだったんですけれども、自転車で通わして欲しいとふうにお願いしましたら、「危ないからやめなさい」っていうふうに言われましてですね、危ない・・・今までだって乗ってたのにね、危ないったって、「危険を回避する技術は私は持ってますよ」って言ったけれども、やっぱり「危ない」って言われまして、「ま、お立場もあるだろう」とということでノーカーデーってですね、No My Car Dayって言うんですか、この、毎月、5日と20日ってそういうふうに定められておりまして、「この日だけはせめて乗せてくれ」ということでお願いをして、そういう形で2日間、月に2日間だけ、乗せていただくという、乗せていただくっていうか、自分で乗ってんですけども、乗ることを許されているということになって、今日も朝、20日ですので、テニス?に行くときは車を使わずに自転車で走って行って参りました。なかなかさわやかな良い天気でですね、やっぱり自転車というのは健康にも良いですし、自分がそういうふうに環境に悪影響をできるだけ少なくしようというふうな姿勢を持ち続けるっていうこともまた、気分的にとても良いって言いますか、という感じがしますので、ぜひ多くの方に乗って頂きたいということを私はお願いする、そしてまた、市長であれば、それだけのアピール力も少しはあるかもしれないということで、来させて頂いている訳であります。


ただ、今日のテーマであります、自転車はどこを、どの道を走ったらいいのかということになりますと、実際に走ってみますと、本当に迷うことがたくさんあります。一番最初に市長になって、自転車に乗っていろんな方が注目をして写真を撮ったりビデオを撮ったりして放送を流してくれました。目ざとく、市民の方々から、「あれは自転車乗ってはいけない道路を走っている」というふうに「市長たるもの道交法を知らないのか」というご忠告がありまして、そういえばそうだなというふうに思ったんですが、僕はどこでも乗っていいと思ってはいませんでしたけれども、許されているといいますか、そんなにスピードを出してじゃなくて、僕は絶対に人によけてくれっていうふうに言って乗ることはしないんですね。横断歩道の上でもですね、必ず前にゆっくり歩いている人がいれば、ゆっくり距離をおいてついて行きますし、少し余裕ができるまで追い抜かないっていうことにしております。ま、そういうことを気をつかっていれば大丈夫だっていうふうに思ってたんですけども、やっぱり法律は法律ということになりますので、それからすぐ、中央署の方に道路で自転車に乗ってもいい場所っていうのを、地図をくださいということでお願い致しましたら、くれました。赤い線を、今日も大場先生が作って頂いたようでありますが、ところがですね、続いてないんですね。続いてないんですよ。連続性がないっていうことがありまして、そこはどうするかっていうと、歩道じゃなくて、車道を走れと、こういうことである訳です。車道はやっぱりかなり「危ない」っていう気が致します。特に私が恐れるのは、車と、車両ですから、同じ方向を向いて行かなければならないんですね。同一車線を走る訳でありますので、車と自転車がですね、そうすると背後から来る訳ですね、背後から来る車くらい怖いものはないです。ですから、できれば、対向してですね、運転手の目がどこを見てるのか、私をちゃんと認識していてくれるのかどうなのかっていうことを、認識しながら危険を回避する、よそ見してるってなれば直ちに危険を回避するっていうふうなことで乗りたいんですけれど、それは絶対許されないという状況、で、まぁ、本当にどこを通ったらいいの?という本当に素直な率直な疑問を私は大事にして、本来しっかりとした自転車道といったものを造って頂く、というようなことを、ヨーロッパの国々ではきちんと、ブロックか何かで区切って、自転車道というものを造っておりますので、そういうものが札幌でもできるように、努力をしていきたいなというふうに思っておる訳です。色々怖い面に遭われることもあろうかと重います。この間もチャリ勉の方々が、自転車走行帯を作ってですね、実験的に快適な自転車に乗ることができたとお聞きしておりますけれども、あのぐらい大きな幅を取る必要もないんですけれども、1車線の中の3分の1か3分の2位でもいいかと思うんですけれども、やっぱり分離をして、車道、車道の方がずっと整備されていますからね、乗ってみて一番感じるの歩道を乗って安全ではあるんですけれども、いかにもでこぼこになっているということと、交差点と交差点との、交差点における、これが不愉快というか不快感を味わなきゃならないということが、やっぱり問題だろうというふうに思います。

自転車、やっぱり自動車と同じように平らにブーッと行けるようにですね、したいと思うんですけれども、ただ、道路を管理する、あるいは交通安全っていうことを考えますと、どうしても交通弱者ですから、ぶつからないようにするのには、道交法があって、一旦交差点では降りてですね、ま、特別の自転車道が定められた所が、マーキングあるところはいいんでしょうけれど、降りて横断歩道を渡らなきゃならない、歩行者と同じように渡らなきゃならないというふうな道交法がございます。これは本当にあの、自転車にとっては本当に乗るなと言っているのと等しいといいますか、いう状況だと思います。やはりそこらへんも、本当にこれを利用するということを、市内の中で道路通行の仕方も、規制の仕方もやはり、道路状況をキチッと自転車走行にあわせる状況に造って、通行方法、横断方法も変えていくといいますか、というふうなことをしなければならないのかなというふうに私は思っておるところでありますが、とりあえず今はそういう規則があって、なかなか通行が非常に難しいという状況にあるということを内々不満に思いながら、自転車を転がしている、というところでございます。


みなさん方、このような集まりの中で、市民がやはり主人公は私たちだと、街で暮らしている者が生活しやすいように、そして、歩行者、自転車といったものを利用する人々が本当に安全に自由に街の中を歩くことができる、運転することができるというふうな社会を、もう少し主体性といいますか、権利主体性といったものをですね、自転車の権利、車権と言った方がいいですね、車の、自転車の権利が宣言ができような状況を市民運動の中で作って頂ければ私はいいのかなというふうに思っているところであります。私は、今、5日と20日しか乗れませんけれども、皆様方、ぜひ、安全に、そして歩行者にも優しく接するということを常に気にかけて、そして、放置自転車にならないようにですね、というふうなことは、これは権利を主張する者はキチッとそこを守って、ルールを守っていかなければならない、というふうに私も思いますので、ぜひ、運動が変なところでつぶれないようにするためには、私たちはやはり、ルールをしっかり守る、マナーをしっかり守るというふうなことで、この運動を進めていかなきゃならないなというふうに思っているところであります。

皆様方の、これまでの6年間、8年間の活動、杉田先生、あの畜大の杉田先生の交通に関するご見識から、みなさん出発されて、このような勉強会を持たれるようになったということで、本当にすばらしいことだと思います。皆さん方もこの活動が、札幌のこれからの都心交通を考える際にとても大きな影響があるというふうに私は確信をいたしておりますので、ぜひ、今後の10月に行われます社会実験に皆様方が参加をされて、そして討論の中にしっかり入って頂ければありがたいなというふうに思うところであります。企画された皆様方、ご参加された皆様方に心から敬意を表しながら「私と自転車」という題でのお話をさせて頂きました。ありがとうございました。