市民から見た総合交通対策
 
「道はだれのもの?札幌21」の視点

札幌市の都心交通ビジョンが出されたことは、新聞や6月の広報
「さっぽろ」でご存じの事と思います。3月には札幌市総合交通対
策審議会が「公共交通を軸とした交通体系」案を既に出しています。

 私達は、歩行者、自転車を中心に、生活者の視点で道路交通環境
の問題点を探ってきました。通学路調査、自転車アンケート、小、
中、高、大学生の通学状況、生活道路の造られ方など、現場を見て
の調査活動の他、関係する行政機関を訪問し、質問、提案する活動
を通し私達なりの道路交通環境のあり方を模索してきました。この
間私が、会の代表として参加した第2次環境保全協議会では、スタ
ディツアー参加を通して、フライブルク市(ドイツ)の総合交通の
システムやコンセプトも学んできました。

 これらの過程を通し、絞られてきた私達の活動のテーマは「人と
車の共存」=「棲み分け」であります。道路上に歩行者、自転車、
車が通行しているなら、安全の必要度に見合った公平な空間を確保
されなければなりません。
 約5年間の活動を経た私達は今、少しでも問題をわかりやすくし
ようと、中間に位置する自転車に焦点をあて、走行空間と権利を多
くの人に意識してもらい「棲み分け」を実現したいと願っています。
この事は勿論この会を始めた「思い」・・取り戻したい子どもの遊
び空間や安全な生活環境・・車社会を前提とした効果のない交通安
全教育への「憤り」が元にあります。もっと科学的に考え、道路構
造や交通システムを変えることで、ゆとりの空間創出や交通事故防
止をはかれないものか、交通担当の警察行政と道路や都市計画の関
係行政はぜひ「連携」して対処して欲しいものです。道路の一部だ
けに限っても、歩道と車道の担当が違っていて、縦割り、上下割り
の答しか返ってきません。やりがいのありすぎる活動に溜息混じり
のエネルギーを注いでいる次第です。

 そこで、今回出された交通ビジョンについてですが、私から見え
た問題点を挙げさせてもらいたいと思います。

 市民向けのパンフレットでは、概ね、マイカーの都心乗り入れの削減や歩行者の為の空間確保など平成6年頃から言われている「人にやさしい交通対策」を本格的に進めるように見えるのですが、今までの資料や今回の交通ビジョン、広報「さっぽろ」誌上の提言「今なぜ都心交通ビジョンか」を読んでも全体に良く解らないのです。

 第一になぜ、自転車が「人にやさしい交通」に入らないのかとい
うことです。札幌で自転車が交通体系に入らないのは、そんなに不
思議なことではないと言う方も多いと思います。自転車がどこを走
るべきか考えたり、道交法では自転車は車両だから車道の左端を走
らなければならないという、罰則まであることなど、知っていたと
しても、普段そんなこと考えて走っていたらどこも通れないし、第
一危険です。良く考えなくとも、道路上は歩行者、自転車、車が通
行しています。それぞれに安全で公平な幅が必要です。札幌市は冬
の問題があるので自転車道路に関しては、全くはずしていたような
のですが(自転車担当は総合交通対策部で一人)長い冬があるから
一層、気持ちの良い季節には自転車で走りたいのではないでしょう
か(冬の自転車道は堆雪場にもなる)。また、学生のきびしい自転車通学状況に思いを馳せている私をさらに驚かせるのは「自転車問題」として駅前などの自転車駐輪対策を、優先課題とするやり方です。
2004年までに条例化して放置自転車を無くそうと言うのです。
連続した走行レーンがあれば・・
公共交通機関のアクセスがスムーズであれば・・・
解りやすい交通マップがあれば・・
通学に配慮した公共交通になっていれば・・・
自転車を捨てていくようなことは殆どなくなるでしょう。駅近くに
自転車が停めてあっても良いし(札幌駅前はバスや自転車の発着場
所でよかったのでは?)それぞれの建物の前にきちんとした駐輪ス
タンドを置くだけでよいことになると思いませんか。関係者の皆さ
んに伝えたいのは、自転車問題はそのまま、いかに今までの「人に
優しい交通対策」が成されていなく、視点が違っていたのではない
か、と言うことです。車優先ばかりの交通環境や公共交通のアクセ
スの不便さを、自転車でカバーして、市民は危ない思いをしながら
走っています。

 第二に公共交通を軸とした交通体系(総合交通対策審議会答申案)や広報誌では、主に都心に力を入れ、「周辺の地域間はある程度、車に頼らなければならない」とありますが、車に乗れない交通弱者が便利にならなければ、意味が無いのではないでしょうか。都心は周辺地域からでてくる市民の集まるところでもあります。家から出て用を足し、気持ちよく帰宅できる「連続した循環」の中に都心があるに過ぎなく、総合交通対策とは全ての市民が気持ちの良いサイクルで生活できるように保障する事と考えます(区単位の中心部設定や他の周辺自治体との連続した交通網等規模の変更含む)。

 今回の都心交通ビジョンに市民の意見を募っていますが、困って
いる人ほど意見の言えない状況にありがちです。もっと現場に出て
調査してもらいたいし、情報は家族の中にもたくさんあります。

皆様も都心交通 街づくり 総合交通等募集してるので発信してみ
てはどうか

2020年まで長期にわたるの遠大なビジョンなら今の段階から交通機関各社の乗り入れ実現や独立採算制度から「市民の足」としての交通に捉え直してみるなど「連携」して取り組んでもらいたいと思います。地球温暖化を防ぐ二酸化炭素削減行動を急いで進めるべき時、大きな視野で交通を考えたいものです。     (國松記)


環境都市と言われるフライブルク市総合交通システムコンセプトの
一部(交通の5本柱)
            
1)公共交通・・・ 
2)自転車交通・・     
3)歩行者交通・・      
4)自動車交通・・            
5)駐車場の管理運営・          

◎これらを相互に連携させ、環境に優しい公共交通機関と自転車の利用促進を目指す。これを成功させる決定打となったのは、安く便利なレギィオカード=環境定期 

<通信NO.6より>